-Sou-

自閉スペクトラムの息子と生きる。

5.

息子は今年の8月で5歳になります。

5歳を前にして、

今まで平気だったことが平気ではなくなったり、

今までとは違うことでパニックを起こしたり、

ほんの些細なことで癇癪を起こすようになってきているように、強く感じます。

 

今日も、地元の小さなショッピングセンターへ息子の希望で出かけました。

入店してすぐ、目の前にある靴屋

夏靴が少し安くなっていたので思わず少しだけ手に取ってみたのですが

これが間違いでした。

 

手を振り払われたので

やばいと思った時にはすでに遅く

ばか!!!もういい!!!!

と息子は走り出した後…

 

うそだろー?!と思いながらも

慌てて追いかけましたが、

子供服売り場を抜けてゲームセンターの中へ。

不規則な通路に息子の姿を見失ってしまいました。

 

しかし、ゲームセンターは息子の好きなアーケードゲームもたくさんあります。

どこかで立ち止まっているかも。と少し安心してゲームセンター内で行きそうな場所を探しますが

一向に見つかりません。

 

2度、3度と通路を横切り姿を探しますが、

全く見当たりません。

ゲームセンターを抜けてすぐに外に出る自動扉があります。

まさかと恐ろしくなり、思わず息子の名前を呼びながら探しますが、返事もありません。

 

来た道を戻ってみようと、子供服売り場の方へ戻ると

子供服売り場の真ん中辺りで泣いている息子をやっと見つけることが出来ました。

 

慌てて駆け寄ったのですが、

今度は突き飛ばされ、くんな!!と拒絶されてしまいましたが、

目を確認すると怒りよりも恐怖の方が強そうなので、

強引に抱き抱えることにしました。

 

まず、強く一度抱きしめた後に少し力を抜きます。

そしてまずわたしが、謝ります。

 

ここで息子に対し、お母さんと会えたこと

お母さんは怒っていないこと

を感覚で伝えることに成功しました。

 

息子の手もわたしを抱きしめに来たからです。

 

ママが見つからなくてびっくりしたんだね?

と息子の心を代弁して確認します。

 

やっと、うんと返事を貰えました。

 

大丈夫だよ、お外に行かなくて偉かったね。

すぐに見つけてあげられなくてごめんね。

でも、

怒って一人で行っちゃったらだめだよ。

いつもお願いしているよ。

もし息子ちゃんが迷子になっちゃったら、お母さん悲しいよ。

 

肯定してあげて、安心感を与えてから

怒る口調ではなくしてはいけないこと、

反復していつもお願いしていることを思い出せ、

こうなったら、お母さんのこう思うの気持ちを伝えます。

 

すると不思議に落ち着きます。

息子からもごめんね。が聞かれたら

すぐに話をやめます。

 

じゃあ息子くんが見たかったのはどこ?

一緒に行こう。と提案しその場から離れます。

 

不安な気持ちを抱いたばかりの場所に留まるのは

気持ちの切り替えを

やりにくいからです。

 

ちなみに今回、

息子は怒ってずんずん進みながらも

私が追いかけてきていることを

何度か振り返って確認していました。

 

それでも息子はわたしから離れたところのすぐそばまで戻っていました。

癇癪を起こしてしまった時、

息子の脳内に入り込む余裕がある情報は限りなく0に近いです。

 

普段の息子なら、お母さん付いてきてたな。

この辺にいるな。と恐らくゲームセンターで私を探してくれたと思います。

 

しかし、癇癪をおこしてしまったあとは

わたしが、追ってきていたことも頭の中から抜け落ちてしまっています。

 

その為に、わたしと離れた場所。

それも恐らくうろ覚えである所へ戻ろうとするのです。

 

今回は、

離れてしまったことにより

不安感が勝って癇癪よりも不安からの半分パニックになりかけていましたが、

その時々のタイミングで

癇癪が持続したり、即座にパニックになったりと

様々な変化を見せます。

 

その時々で、顔色だったり行動だったり

確認しながら瞬時に判断して対応しなくてはいけない。

…疲れますよね。

 

正直、今日はいつものように行っている小さなお店だったし、

いつもならなかったことが起きてしまったので

え、こんなことで?ここの店でも?

と落胆が隠せませんでした。

 

近頃は自宅でも

癇癪で屋外へ逃げ出そうとするので

正直困っているのですが(自宅は引き戸なのですぐに出ていってしまいます)

こんな些細な外出すら何か対策を取らなくていけないのか…と

悩みの種が増えた感じです。

 

ちなみに大きなお店に出かけるときは、

ヘルプマークをつけています。

(ヘルプマークにはわたしの連絡先と、簡単な留意点が記載してあります)

更に広いところや人混みになると

息子の腕とわたしのリュックを迷子防止ひもで繋いであります。

 

些細なお出かけにもここまでの対策を取るべきなのか、

頭を悩ませる事柄がひとつ、増えてしまいました。

4.

児童相談所へ行ってきました。

 

まず、療育手帳を申請する流れを

ざっと記載します。

 

1、市役所の障害福祉課で療育手帳の申請をしたいと言うと役所で多少のことを聞かれます。

2、児相から電話で面談の日取りを決める連絡がはいります。

3、面談に向かいます(必要なものは母子手帳と、本人の証明写真サイズの胸から上の写真)

4、その場で可否が伝えられました。

5、後日正式に市役所より可否の連絡が再度来るようです。

 

 

今日、わたしたちは3に当たる面談を受けに行きました。

母子別室にして子供はIQテストを受けるようです。

息子に聞いてみると、クイズとかしたよ!楽しかった~!とニコニコだったので、怖いものではないようですね。

 

親の方は今までの生育歴、

その時その時で困ったことや、発育のこと、

また現段階困っていることなんかも聞かれます。

 

例えば服の好き嫌い(長袖がダメだとか半袖がダメだとか)も聞かれたりしました。

保育園での困り事や、家庭での困り事についても話するタイミングがありました。

 

否定的な相槌はされなかったので、

安心してお話することが出来ました。

 

首が座った頃、ひとり座りした頃、歩いた頃、立った頃、話した頃、オムツが外れた頃なんかも確認しながらお話していきます。

 

困り事に関しても真摯に受け止めて考えてくださったりしてもらえたので、とても安心できました。

 

結果的には

息子は療育手帳には該当しませんでした。

 

主治医は自傷行為があるからもしかしたら…と言っていましたが、

児相の方にきっぱりとIQのみでの判断になりますと言われました。

 

うちの息子の場合、今年5歳になるので

2歳半程度の知能しかなければ、手帳の対象になるようです。

完全な結果を伺った訳では無いのですが、

息子のIQは、90越えでした。

 

そもそもIQってなんなの。どれくらいで普通なの。という疑問にそこで気付き、伺ってみました。

 

まず、その年齢での平均値、基準値が100になるそうです。

 

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そして上に125

下に75。

これが同じ学年の子供たちを対象としてIQを測ると、大抵の子供がこの間に収まってくる。

 

じゃあ障害となると

50から下に、軽度、中度、重度と数値が下がるにつれて当てはまっていくそうです。

 

ちなみに重度に該当する子供はなかなかいないとのことでした。

知的障害+なにかの障害があって初めて重度に該当するとのことでした。

 

自閉スペクトラム症では

療育手帳は交付されることはほとんど無いというのが担当者さんの見解でした。

知的障害だとか知的な遅れという言葉が医師から出ていて初めて療育手帳かな…と。

 

そして、

お母さんはぶっちゃけどうして療育手帳が欲しいの?と火の玉ストレートに聞いていただいたので

わたしも火の玉フルスイングで打ち返しました。

 

わたしが療育手帳が欲しい理由は

ずばり、特児手当が欲しい。

からです。

 

するとなかなか衝撃的なお返事をいただきました。

療育手帳にはAとBがありますが、

軽い方の該当だと特児手当はそれだけじゃ貰えないそうなんです。

 

つまり、療育手帳取って

得することは公共機関の割引(そもそもお金かからない年齢)。

あとはテーマパークなんかの入場料が安くなったり(これは嬉しい特典ですよね。)くらい。

 

まあ、テーマパークとか博物館とか

並んだり人混みが苦手な発達児さんにとってはすっと入れるのはかなりプラスですね。

そして感性の豊かな子が多いからこそ、

生き物やその軌跡なんかに触れさせてあげる機会が多く持てるのはとってもその子のその後に役立つと思いますが…。

 

しかし、いざわたしが今回目標にしている特児手当は療育手帳を貰えても該当しない。

 

これは多少雲行きが怪しいです。

 

じゃあ、発達障害なら精神福祉手帳は取れますよね?と確認したところ、

今まで知っているケースでは、

最年少でも小学生が取得したケースしか知りません。とのこと。

 

理由として、

精神的なものは年齢とともに変わるから、

なかなか申請が通らないとのことでした。

 

いやちょっと待って、精神的な病気と発達障害は違うよね?

って話なんですが、

それを役所に言っても無駄なんでしょうね…

 

じゃあ、わたしの割いた時間は無駄だったのか…と思ったらそうではありませんでした。

 

特児手当、つまり特別児童扶養手当

貰う方法は療育手帳以外にちゃんとありました。

 

あくまでうちの息子のケースですが、

自閉スペクトラム症による

自傷行為、衝動性、攻撃性、常同行動、対社会性の欠如、感覚過敏による日常生活への制限

といった症状が見られます。

 

自傷行為はそのまま、体を掻きむしったりして血を出してもやめません。毎日生傷が耐えない状態です。

衝動性は急に走っていなくなってしまったりします。(わたしは迷子防止ひもでお互いを繋いでいます)

攻撃性はお友達にはまだ手を出したことはありませんが、自分の私物を叩きつけたりしています。

また、わたしに対しての暴力も見られます。

常同行動は、いつもと同じであれば大丈夫ですが、違うことがなかなかできません。

息子の場合は排泄が特に顕著です。

そして対社会性の欠如は、保育園での集団生活に馴染めない、我慢していても過度のストレス負荷による二次障害が認められる。

最後に感覚過敏による日常生活への制限は、まず第一に顔に水がかかるのを嫌がるため、お風呂を嫌がる。

次に、歯磨きの嫌がり。そして季節に左右される睡眠時間などが挙げられました。

 

これにより、

自閉スペクトラム症においての症状が強く、日常的に監督保護が必要な状態である。

と診断書を市や県に対して提出するのです。

 

この申請については市役所で可能です。

診断書を書くのは主治医で大丈夫だそうです。

 

知的障害がなくて、

特児手当を諦めている発達児さんの親御さんがいらっしゃったら

再度相談してみることをお勧めします。

 

むしろ、児相ではIQしかみてもらえないので、

確実に遅れがあると確信がない限り

手帳の申請などに時間を割くのは勿体ないかもしれませんね…。

3.

こんばんは。

明日、私と息子は児童相談所へ行きます。

 

療育手帳の申請を行いました。

こういったものは、すぐにとんとんと話が進むのかと勝手に思っていましたが、

市役所に申請に行ったのが5月18日でしたから、

約1ヶ月経ってやっと面談になるという

なんとも間の悪い感じに驚いています。

 

息子はIQの遅れを伴わない自閉スペクトラムです。

そして、療育手帳はIQの低さで判断されることがほとんどです。

 

つまり、アスペルガー高機能自閉症の子供たちは手帳を貰えないんですよね…。

 

うちの場合は、自傷行為があるので

おりるかも…?と主治医に言われています。

 

が、世の中には知的遅れを伴わない自閉スペクトラムで悩む親御さんが

めちゃくちゃいます。

 

そして、その人達は困っていない訳では無いのです。

IQが高いから、指示は通ります。

が、指示通りに動く訳では無い。

 

IQが高いから、自発行動で問題行動を起こせる。

 

ただ、IQだけで手帳の有無を決めるのは

どうなんだろう…と

近頃はずっと考えていました。

 

むしろ、IQが高すぎた場合、

親はとても大変なんですよね。

 

大きくなってきたらIQに差があれば、

指示を通せなくなります。

聞いてくれないのではなくて、

聞いた上で論破されてしまったり

バレないように問題行動をされたりする可能性が高くなります。

 

IQって離れすぎていると、健常者でも会話が噛み合いにくかったり

この人何言ってんの?え?どーゆーこと?や

こいつなんなんだ?偉そうだし、言ってることわけわかんない!

なんて気持ちを互いに抱いたりします。

 

それが親子関係で常に抱くとなると

とんでもないことですよね…。

 

IQの遅れがない=大変ではない。

 

には絶対にならないわけではないですか。

 

うちは、

自傷行為、排泄へのこだわり、衝動性、攻撃性なんかが特に目立つのですが、

IQの遅れは一切ありません。

ペラペラ喋れるし、とても記憶力もよく、賢いです。

 

でも、だからこそ困っています。

簡単に約束できません。

破ったら信頼関係が凄く崩れます。

息子は約束を忘れません。(自分に都合のいいことは特に)

 

お迎えの時間でもそうです。

この時間に来るよ。と言ったら

絶対に守らないと自傷して、キレて、叩かれて、蹴られます。

ママなんかころしてやる!!!!

と瞳孔の開いた目で睨みつけられます。

もうしんでやる!!!!!と自分を殴ります。

 

IQが高過ぎるからです。

 

IQの遅れがない自閉スペクトラムの子供は

小学校に上がったら

遅れがある子供よりは先生が見やすいと言われますが、

それは指示が通るからです。

 

言っていることが理解できるからです。

(理解と行動できるはまた別の話ですが)

 

そしてわたしの体感では、

IQの遅れがない子供ほど、

二次障害の程度が重いように感じます。

 

育てにくさ、関わりにくさは

IQの遅れがない子、

IQの遅れがある子、

それぞれに違っていて、それぞれに大変なのに

なぜ知能指数のみで考えられてしまうのか。

 

グレーゾーンの子供が増えているこの時勢こそ、

給付基準を見直していく必要がある時なのでは、と思いますが、

今後どうなっていくのでしょうか…

 

 

兎にも角にも、わたしたちは明日です。

どんな面談なのか、

どんなふうに進むのか、

しっかり覚えて帰宅しますね。